こんにちは!ユウです。
ファイナンシャルプランナーでもあり環境計量士でもあります。
ICP-MSを使っていて急にプラズマがつかない時ってありますよね?
ICP-MSのプラズマがつかない時に試してほしい改善方法について紹介します。
分析器はメーカーによって構造が大きく異なるのでお使いの分析機器に合わせて対応してください。
ガスが流れているかの確認
アルゴンガスが流れていないとプラズマを点灯することはできません。
アルゴンガスが流れていても、ガス圧が低い場合には同じくプラズマを点灯できません。
ガスボンベを交換した際には、ガス圧が低くなることもありますのでガス圧を確認してください。
設定値よりもガス圧が低い時は、ガズボンベの補助弁を操作することで設定値の圧力を回復させることができます。
また、パソコン上で供給されているガスの流量を確認することができます。
流量やガス圧がマイナスや大幅に変動している場合は基盤が損傷している可能性が高いです。
メーカーへの修理を依頼しましょう。
冷却水が流れているかの確認
冷却水が流れていない状態だとICP-MSを冷却できなくなってしまうため自動的に停止します。
パソコン上でも冷却水の流量を確認できます。
流量がマイナスや大幅に変動していると基盤が故障している可能性があります。
冷却水は、半年に1回程度交換する必要があります。
また、冷却水内には時間とともに浮遊物が発生し配管に詰まってしまうことがあります。
このつまりは、不安定なこともあり起動時にはなんともないが分析中に急に詰まって冷却水量が減り停止することがあります。
定期的にパイプユニッシュや塩酸を使って洗浄する必要があります。
洗浄した際は、配管の腐食を防ぐため液性が中性になるまで洗浄しましょう。
チャンバからトーチまでで空気が混入していないか確認
チャンバからトーチへのラインへ空気が混入するとプラズマを維持できなくなりプラズマがつかなくなります。
チャンバとトーチはガラスのすり合わせで接続されており、購入後時間が経っているとすり合わせがうまく繋がっていない場合があります。
その場合には、パラフィルムなどを使用して空気の混入を防止する必要があります。
チャンバとトーチの接続部分に結露などがある場合にも起こる可能性があります。
試料導入から液体が導入されずに気体が入ってきている場合にも起こる可能性があります。
ただし、ICP-MSはそもそも導入量が少ないので起こる可能性は低いです。
チャンバ内が空っぽか確認する
排水用のペリポンプチューブが外れていたり、劣化していたり、逆向きにつなぐとチャンバ内に液体が溜まってしまいます。
液体がチャンバ内いっぱいになるとプラズマがつかなくなってしまいます。
トーチ側へ何かの拍子に液体が流れてしまうと故障する可能性があります。
冷却装置を取り外し、チャンバ内が空っぽか確認しましょう。
気温が高くないか確認する
室温が30度を超えると一般的な冷却装置では冷却機能が間に合わなくなります。
そのまま稼働を続けると、チャンバ等の冷却ができなくなりプラズマがつかなくなってしまいます。
最近では、夏の外気温が30℃を余裕で超えてしまうため夏場の昼の間に稼働することは難しいです。
室温が熱い状態で使用するとコーンなどを痛めるためブランクが高くなることもあります。
早朝か夜間に分析するとなんとかなるかもしれません。
メーカーへ連絡する前に再起動
ソフトウェアのトラブルや機械とパソコンの同期エラーの場合に解消する可能性があります。
再起動してすぐ治ってしまうケースもあるためメーカーへ連絡する前にパソコンとハードウェアを再起動してみましょう。
まとめ
供給ガス、冷却水、試料ラインを確認することでプラズマが点灯できないトラブルを解消できることがあります。
ただ、大多数のプラズマトラブルは、電源や基盤などメーカーの修理が必要な場合が多いです。
メーカーへ問い合わせをする前に一度改善方法を試してみてください。