こんにちは!ユウです。
環境計量士をしています。
ヘリウムが不足しているという話は聞いたことがありますか?
実はヘリウムが不足しているのは最近から始まった話ではなくかなり前からです。
いつの日かヘリウムは貴重ものとなり風船などでもあまり使われなくなりました。
過去には、たびたび製造工場の破損などでヘリウム危機が複数回発生しています。
しかし、危機が発生したからといって極端に入荷が困難になることはありませんでした。
長い間なくなるといいつつ供給がされていたからです。
国際情勢も影響して2022年5月から本当に日本からヘリウムがなくなるかもしれません。
この記事では、2022年5月に発生しているヘリウム不足について紹介しています。
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ヘリウム不足の原因
ヘリウム不足の原因は国際情勢の影響など複数の要因から発生しています。
そもそも、ヘリウム自体が天然ガスの採掘の際の副産物として生産されます。
つまり、天然ガスが製造されなければヘリウムが製造されません。
現在は、ヘリウムの供給元である、米国BLMの設備トラブルとカタールにあるプラントの点検によりヘリウムの供給不足が発生しています。
【化学工業日報】ヘリウム不足が深刻化、大陽日酸は供給半減要請
そもそも、ヘリウム自体が医療や製造業など需要が多い状態で供給が追いついていません。
今後の動向としては改善することはないと考える方が自然だと考えられます。
日本国内でも供給の状況は様々
本州ではヘリウムの供給がかなり厳しい状況ですが九州では最低限供給されている情報が入っています。
日本国内でも人口が多く工場や病院などで利用されている地域では不足しているが地方ではそれなり行き渡っているということです。
ボンベを輸送することによって均一化できるのでは?と思うかもしれませんが、輸送の際は高圧ボンベの制約を受けたり輸送コストがかかるため改善されることはなさそうです。
本州では、現在入荷時期が不明で数ヶ月間まったく入荷がないという地域もあるようです。
医療用や製造業に優先されるため我々分析業界にはほとんど回って来ない様です。
分析業界では現在、硝酸も不足しています。
硝酸についてはこちらの記事で紹介しています。
ヘリウムは節約できる?
分析に使用するヘリウムは分析装置のスリープモードなどで節約が可能ですが、
ヘリウムの今後の供給増加は見込めない状況です。
節約することは可能ですが、別の物質への変更が必要となりそうです。
代替物質としては、水素やヘリウム、アルゴンなどがあります。
ただし、だいたい物質を使用すると感度が減少しますし検出器の変更が必要となります。。
また、水素は使用する際に引火や爆発を起こさないような設備が必要となります。
分析方法によっては、使用するガスが指定されているため関係省庁による分析方法の改定も必要とされます。
環境分析業界では、規制を行う省庁と連携をとって改善が必要な課題となりそうです。
各省庁の対応は?
環境省は現時点で節約して使用してください程度の喚起のみしか行っていないためヘリウム問題の解決はかなり難しくなっています。
厚生労働省は、代替物質などへの変更を呼びかけていますが、定量下限値高くなるため現実的ではないという声もあります。
また、水素を使用する場合には大規模な設備投資が必要になるため分析機関へかなりの負担となります。
これからプールの時期になるためどの分析機関もヘリウム不足が加速すると予想されています。