こんにちは!ユウです。
環境計量士をしています。
今週の初めに業界ではやや不安を煽られるニュースが飛び込みました。
それは、硝酸の出荷制限です。
国際情勢もあってか、分析で使用するヘリウムや尿素など一部の化学薬品において深刻な供給不足が発生しています。
ここ来て硝酸も供給不足が加速しているようです。
この記事では、2022年5月から発生している硝酸不足について解説しています。
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硝酸不足の原因
今回の供給不足の原因は日産化学の保有する工場の破損です。
【日本経済新聞】日産化学、硝酸の出荷停止 メッキ向けで車生産に影響も
日産化学を含め日本で硝酸を製造している業者は4社ほどあるのですが、そのうち1社は工場がメンテナンス中です。
破損した工場の再稼働と同じくこちらも復旧が未定となっています。
残りの2社については生産量がそこまで多くないようです。
日産化学は大手の製造業者のため他の流通に需要が流れたことにより日本全体で硝酸が不足しています。
薬品の販売を行なっている関東化学や富士フイルム和光純薬などでは出荷の制限を行なっている状況です。
在庫が全くないというわけではなく現時点での在庫のなかで注文を整理して順番に出荷するとのことです。
日本では主に工業用の硝酸が使用されていますが、割高な医療用などのマイナーなグレードの硝酸については価格自体が割高のため手に入れやすい可能性があります。
日本国内のすべての製造が止まっているわけではないため必要最低限の供給は行われると考えられます。
日本経済への影響は?
硝酸は、我々分析業界以外に製造業でかなり多く使われているため日本経済へ与えられる影響はかなり大きいと考えられます。
特にメッキなどを使用する電子機器や自動車部品に影響すると考えられます。
出荷制限がしばらく続くようであれば硝酸を原料にしている硝酸銀や硝酸アンモニウムなどの流通への影響も出てくる可能性があります。
今回の供給不足は工場の破損とのことですが、硝酸の原料はアンモニアでありアンモニアを作るには天然ガスが必要になります。
現在、ロシアからの天然ガス供給が不安定のため価格上昇や供給の不安定リスクについては今後も安心できない状況です。
分析業界では現在ヘリウムも不足しています。
ヘリウムも硝酸同様に製造業で使用されているためヘリウム不足の影響もあります。
ヘリウム不足についてはこちらの記事で紹介しています。
6月下旬から出荷再開
日本経済新聞によると6月17日から順次出荷が再開されるようです。
それに伴い、注文も通常通り行われている状況です。
不足していた分を取り戻すまでには少し時間がかかりますが、すぐに需給は解決すると見込まれています。
硝酸の節約方法
我々の分析業界では、有機物の分解に硝酸を使用します。
有機物が多いものであるほど多くの硝酸を使用することになります。
酸分解の際に硝酸を節約するのであればマイクロウェーブなどの密閉分解がオススメです。
また、密閉しなくても簡単に少量の硝酸で酸分解が可能なエコプレもオススメです。
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